施設慰問見学会


   


「光の家を訪問して」           武田厚子


田中理事長より「福祉施設と実態について」説明を伺いました。
現在200名余の視覚障害者(その多くは盲重複障害者)の方々が生活さ
れています。障害の重荷を克服しながら、生き甲斐を求める重度身体障害
者授産施設、若い重複障害者の生活訓練を行う重度身体障害者訓練施設、
生活の憩いの場としての諸施設を備えています。施設の方は、自立を願っ
て懸命に諸事に励んでおられます。私たちは、「新生園」に伺いました。平均
年齢28歳、52名の方が生活され、作業訓練の場では、籐の籠、色鮮やか
な織物、陶芸作品、等、目を奪われる素晴らしい作品に感動しました。
施設の方、そしてご指導の職員方の熱い力を実感しました。「お世話をする
のは半分、あとは本人のやる気を如何に伸ばすことができるか、一人の人
間として大きく成長していただきたい」が,当施設の理念です。
音楽室では盲目の方が力強く鍵盤をたたかれ、ピアノとともに「北の漁場」を
歌われたとき、身震いする程の声量に圧倒され、それは大きな感激であり、
バンド演奏会の大盛況も納得できました。本見学では、今までに無い充実の
勉強をさせて頂きました。盲重複障害者、初めての体験でした。



                     
            

「光の家を見学して」         小暮三代子


川辺課長のご案内で「新生園」に伺い、運動室、陶芸室、工作室、手芸室、
音楽室を拝見しました。施設の方は、大変明るく作業訓練をされていました。
入園当時は厳しい親子の別れを経験し、自室では何歩で入り口、或いは窓
へと、何度も体で覚える生活訓練の苦労をされたそうです。盲目である上
さらに、身体的、知的障害が重なっているため、先生方の根気のご指導が
要求され、その大変さとご苦労に敬服しました。
高橋正秋君が「北の漁場」を歌って下さいました。彼は三重苦を背負う盲重
複障害者で、正秋バンドのリーダーです。ピアノ演奏も素晴らしく、その歌声
に、姿に、深く涙しました。理事長の「ハンディを持った人が障害を乗り
越えて活躍する姿には、私たちを感動させる大きな力があります」という言
葉が心に残りました。母親、ハツ子様著書の「北上川よ、わが子正秋に光を
下さい」は、障害を持った子の努力、それを支えるご家族、才能を伸ばし、
生き甲斐を下さった先生方の気の遠くなるようなご努力の結果が正秋バン
ドの成功です。当施設の重要な役割に接し、今後の活躍を心から応援いた
します。暗いニュースのなか、本施設見学では心が洗われました。好企画に
お礼申し上げます。



施設慰問見学会に参加して」        北村毬子


「光の家」の対象者は盲重複障害者で、全国から入園者があり、基本精神
はキリストの信仰である。施設の役割は一定の保護を受けて、どの様に
日常生活を過ごすのか?そして障害の重さに関係無く、生き甲斐を求めて
できることは自分で行う。「お世話が半分、自立するための訓練が半分」が
施設の生活の基本です。作業所では個人の技量を活かし、陶芸、手芸、
ノート製本、木工作業等に生き生きと勤めておられ、丁寧に時間をかけた
作品には、心から感動した。又、音楽の才能を生かしたバンドは、各地で
演奏活動を行っている。
観客や保護者、そして支える大勢の仲間の応援があって初めて可能なこと
で、力強いパワーを感じた。私も視覚の不自由な体験講座を受けたが、何
をするにも不安と戸惑いであり、障害の克服は日々の訓練であると、その
時に実感した。理事長先生、職員皆様のご指導にはご苦労があり、《支える
心》、《仕える心》、《耐える心》で対応される姿に感銘を受けた。女性会より
石鹸、タオルの寄付も大変喜んで下さった。短い見学の中で、当施設が果
たしてきた役割と功績に視覚障害者にとり大変必要な施設と痛感した。 



              



「新宿区更生保護女性会、見学会に参加して」    衣川信子


施設では、30代から高齢の方まで約250名の視覚障害者が生活してい
ます。私は二人の子供(四歳半、六ヶ月)と参加し、「憩いの家・神愛園」を
拝見しました。施設は清潔で明るく、各部屋から見える緑が印象的でした。
桜の時期には多くの方が集われ、食事は一人一人の体調に合わせた
内容が出されます。
食堂の横にはスポーツ器具が置かれ、ソファには皆様が織られた色とり
どりの敷物が敷かれています。施設の皆様はきちんとされて、計画的に
10kgの減量もされるそうです。製作の部屋では約30名の方が織物や焼
き物、木製の植木鉢等を作っていました。職員の方が部分のフォローを
されますが、基本的にご自分の仕事に没頭され、材料を一つ一つ手探り
で見出して丁寧に仕上げる・・・その打ち込み方にハッとさせられました。
私たちはこの様に何事にも無心で向かっているか?自身を振り返り、それ
を生かす為に人生に真面目に取り組んでいるか?等、 言葉を失う思いで
した。帰路、高幡不動の「あじさい祭り」を訪れ鬱蒼とした森の中、あじさい
の続く山道に施設の皆様が重なりました。生きるということは、素晴らしい。
息子にも心に刻まれる体験でした。







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